2016年4月1日金曜日

第2回土壌プロジェクト報告イベントレポート1(3/27開催)


開催日時: 2016年3月27日
場所: 慶応大学三田キャンパス
参加者数: 約70人









 

1)土壌汚染、こうわかってきた!

   これまでの調査結果を公開・解析の発表

原発事故による放射能の流れについて(名古屋C-ラボ 大沼章子さん)
2011.3.113.21の間に福島から流れた放射能汚染について
何が起こったか、現在はどんな状況か、福島第一原発からの放射能の放出量、どのように伝えられたか、SPEEDI・米国・ドイツ・日本政府(土壌調査など)を紹介。身の回りの放射能汚染度が、SvBq/2ではわかりにくい!
濃度表示(Bq/kg)で知ろう。今居る場所の汚染度をベクレル(Bq)数で知ろう!各種データからの分析、チェルノブイリ移住法による比較などを行った。

「山梨県の測定データと地形の相関関係について」(町田はかるーむ 瀬尾さん)
土壌プロジェクトで採取した山梨県のデータを分析し、地形によってどこにどのように放射能が流れ込み沈着したのかが明らかになった。
平野部は少ない。山の上に放射性物質がある、移動過程に山岳がある場合、県内に入った放射性物質は、わずかな距離の間でその濃度を大きく低下させているのではないかと紹介した。




















「土壌プロジェクトの着地点、未来像」(事務局長 石丸)
当プロジェクトとしては、以下のスケジュールで一区切りし、無料測定を終えて揃えたデータで紙のマップの作成に取りかかる。
日本海側はまだ採取が進んでいないこと、あと1年弱でそれらの空白域の採取・測定に注力することを呼びかけた。


スケジュール:20171月末までに採取。
       2017年2月末までに測定を終える。
       20173月データ入力を終える。

*その後その時点迄に揃っているデータを「減衰補正」して基準日を統一した上でデータ解析や地図の作製等に取りかかります。

*なお、上記プロジェクト期間終了後も、通常の採取・測定(測定室ごとに価格あり)は継続します。測定そのものを打ち切るわけではありません。


空白域の確認方法: http://www.minnanods.net/soil/より
空白域を皆様に確認していただけるように、「空白域・採取完了」ボタンを実装しました。地域ごとに目標採取数を満たしているかどうか一目で分かります。
ピンクマリネリの表示=採取完了、青いマリネリ=採取地点が足りない地域を表します。


2)功労者への感謝
 個人で複数自治体に採取交渉を行い、57地点の採取を進めた山本さんに感謝状をお送りしました。


3)今後1年の目標:空白域に特化した土壌採取の具体的方策
   採取数2,500件を目指して ~新潟県の取り組み~


新潟県内の採取を進める計画について、あがの市民放射線測定室「あがのラボ」村上さんが活動内容を紹介。

人的ネットワークを活用し、直接会いに行って話をする機会を設けることで、関心を持ってもらい一緒に活動できるようになった事例を紹介していただきました。


4)ゲスト講演
「放射能の測定活動」や「データの見える化」について各分野でご活躍いただいている4人の方々にスピーチをいただきました。


●野口靖さん(インタラクティブ・フクシマ・プロジェクト)
3.11以降、情報が錯そうしていて何が本当なのか分からない中、放射線に関しても分かりやすく伝えるために、何ができるか考え、既に公開されている様々なデータを分かりやすく情報を伝えられるようなサイトをつくられたことをご紹介いただきました。
RADIATION&FOOD MAP in JAPAN
「ラビット博士の放射線講座」では、放射線についての知識を分かりやすく伝えられるよう考えた。http://interactivefukushima.org/lecture/

●和田秀子さん(ママレボ)
福島県内の小中学校周辺の土壌測定することにした経緯と結果について。空間線量と土壌測定結果が必ずしも一致せず、空間線量が低くても実際には汚染度が高いホットスポットである地点もあった。また少し離れただけでも測定数値が大幅に違うケースもあったことをご報告いただきました。






●田中キキさん(セーフキャスト)
世界規模のデータ提供活動、空間線量調査を通して思うこと
SAFECAST
市民による放射線(空間線量)計測とマッピング。4000万ポイントの結果を集積。
データはホームページからダウンロードして外部の方も利用できます。





●平井有太さん(土壌スクリーニング・プロジェクト)
福島で10万件の土壌調査をおこなって感じた葛藤とその意義
JA新ふくしま、生活協同組合、福島大学の連携による土壌スクリーニング・プロジェクトを紹介。
多彩な地図表現、2011年に福島大学が音頭をとりチェルノブイリ汚染のマップとの比較、経年変化、今後は野菜類の移行係数などもできたらよいとも。ふくしまを自分ごととして捉えていって欲しいということを伝えていただきました。


5)土壌プロジェクトを補完する新たな試み(高濃度検体への取り組み)
など


従来の土壌プロジェクトでは、マイクロホットスポットは同一地図上で表示・比較することはできないので、対象から除いています。
しかし実際にはマイクロホットスポットもあることは事実で、無視することはできません。そこで、データサイトの土壌プロジェクトとは別に、一定の採取方法で採取した高濃度検体の測定データ結果を掲載できるよう「ホットスポット インベスティゲイターズ フォートゥルース」と連携して準備を進めています。
土壌プロジェクトのマップとは別の形で、これらの汚染についての見える化、記録を進めていく予定です。


6)マリネリくんコラージュアクションのお知らせ

たくさんの方々からの応援メッセージや画像などを寄せていただき一同に掲載・閲覧できるページを作成予定。
3000人の仲間が集まると、3000のメッセージがちりばめられた「マリネリくんコラージュ」が完成する仕組みです。
東日本17都県にわたる土壌プロジェクト支援のための一口千円での募金と連動します。






*6月頃にお披露目予定。 その節は、ぜひご協力をお願いします。