日時:2014/5/18 13:00-17:30
場所:JICA地球広場600号室
参加者:各地からの参加測定室および参加検討中の測定室、測定器メーカー、また関心を持つ一般の方々(参加者計27名)
内容:下記プログラムに沿って進行し、また質疑応答を通じて参加者同士の意見交換を行いました。
プログラムに沿った実施概要
<前半>
■ サイトの使い方デモンストレーション
・ 実際にサイトを動かしながら操作方法の詳細を案内
品目×値(Cs合算、またはCs137のみを選択)×産地(都道府県の複数選択可能)×時期(年月)の最大4つのキーで検索が可能。
■ リニューアルサイトのイメージをご紹介 ・現在数多くの機能追加 ・改善、コンテンツ追加の要望、計画があがっており、現状のサイトで実現するのが難しくなっているため、新規リニューアルを計画。そのイメージを共有しました。
・よりシンプルで見やすく、使いやすいサイトを目指します。参加測定室の皆様が必要な情報(プロジェクト情報や各種フォーマットなど)にも簡易にアクセスできるよう、内部向けのポータルページも用意する予定です。
■ 参加測定室の自己紹介
・参加者お一人ずつ、参加した目的や現状課題をご紹介いただきました。
■ みんなのデータサイトの現状と今後の活動について
今期(9月)までに予定している主な測定プロジェクトについて現状の紹介や、採取 ・測定方法の標準化について提案・質疑応答を行いました。
1)タケノコ・椎茸の「広範囲単品測定プロジェクト」について
これまでの知見をもとに、手法の標準化の理由や具体的手順などを紹介しました。特にタケノコについては、部位や大きさによってセシウムの汚染度が大きく異なるため、検体加工の手順の標準的手法について詳しく解説しました。
2)「土壌測定・データベース化プロジェクトのサンプリング方法(案)」
共通のデータベースで数値を公開するにあたり、手法の標準化は必須であり、土壌特有の留意事項の紹介とともに手法の提案、議論を行いました。乾燥について、畑、田んぼなどの場所による採取地点設定方法について、空間線量と土壌汚染度の相関関係について、深度についてなど。
また測定以外の進行中の活動を紹介しました
1)ゲルマによるクロスチェック体制
2)英語版ウェブサイト企画
<後半>
提案のあった3つのテーマに分かれてグループディスカッションを行いました。
■土壌測定関連グループ
土壌の測定プロジェクトを今後実施していく上で、前半に紹介をした標準化の手法に関してさらに深く検討を行いました。以下の提案がなされました。
1.土壌サンプリング講習会を各地で開催する。
2.このことで、土壌調査参加団体や参加者を募る
3.講習会講師を養成するための研修会開催も必要。
4.土壌調査は、放射能に関心のある人々をネットワーク化する手段としても有効
5.土壌サンプリング深さは、本年実施分については、0-5cm層とする。
Ref. 仙台の石森さんの実測では、0-5cm層で約500Bq/kg、5-10cm層で約100Bq/kg、5センチ以下への移行が認められる
6.福島県、栃木県、宮城県など激甚汚染地で通常のごみ焼却が続けられている。バグフィルターすらない焼却炉も稼働している。降下塵、浮遊塵の監視行動が必要。
7.土壌調査重点地域として、まず宮城県、栃木県(そして東京)を重点地域として、先行取り組みが必要ではないか。
(懇親会の席上、東京にある市民測定所の力を結集して、東京全域の土壌調査をするべきではないかという話が出た)
8.減衰補正~岩手県の調査では、調査開始日に遡って減衰補正計算を行い、316地点のデータを、同一日に同期して表示した。
9.統一された標準サンプリング方法で調査が始まった後、それ以前の個別に測定された土壌データをどう扱うべきかについて、懇親会席上で、標準法で得られたデータについて何らかのフラッグを立てて区別するのが良いという意見が出た
10. 多摩川流域一斉調査がスタートしているはずだが、まだ、動きが活発とは言えない。7項で出た東京全域調査を計画する際に、その原因を確認しておく必要がある
11. 9月までの助成金で、土壌調査に支出できる予算枠はあるか?
■入力・システム関連グループ
さまざまな議論が出ました。それらをさらに検討・実施していくために、6月中にシステム合宿を企画することになりました。(6月20〜21日に実施予定)
■みんなのデータサイトで何をしたい?グループ
■ 海外向けに情報発信をしていくことで日本の現状を海外に伝え、また注目してもらうことで援助を得やすくなるのではないか
■ 参加している測定室と事務局とのコミュニケーション強化
■ データ入力件数を増やすための方策
・ 既にあるCSVによる一括データ入力のしくみの周知
・ 訪問サポートをしてはどうか
・ データ入力が具体的メリットになるようなシステム的な仕組み(月報が出るなど?))について検討する
・ とにかくまずは新しいデータを入力していただくよう働きかけていく
■ 実務は実際3人しかおらず、それぞれ専任ではないので、何かを実行していくには、周囲に応援を求めていかないと厳しい
これらの3つの議論について全体で共有をしました。
今後は、9月(日程などの詳細は未定)に一般の方も含めた形での会議の開催および、総会を計画しています。また日程が決まり次第お知らせいたします。
以上