土壌プロジェクトでは、東日本17都県で3,000地点以上の土壌採取・測定を市民の皆様と一緒に行いました。その測定結果を解析し、また地形などと合わせてみることで、見えてきたことなどを先行して皆様に一足早くお伝えしていきます。
今回は、汚染重点地域の1つである栃木県と、比較的汚染レベルが低い山形県の2つを先行して解析し、現時点での中間報告とさせていただきます。
1. 栃木県の土壌調査の解析報告概要
(名古屋C-ラボ 大沼淳一さん担当)
「17都県3300余点のうち、高濃度汚染した栃木県では292地点の土壌調査を行い、その解析を行いました。那須町には23000Bq/kgを超えてチェルノブイリ法における「移住の義務ゾーン」が1ヶ所。那須町、那須塩原市、矢板市では、8500Bq/kgを超える移住推奨ゾーンが21ヶ所あり、これら3自治体に加えて、日光市、塩谷町、大田原市、那珂川町では、2800Bq/kgを超える移住の権利ゾーンが、合計で81ヶ所もありました。深刻な初期被曝も懸念されます。しかし、政府も自治体も適切な対策をとらないままに6年半が過ぎています。市民、とりわけ子どもたちの被曝が懸念されます。今すぐにでも、健康調査など福島県なみの対策が必要です。」
*なお、10月末から11月にかけて約1週間、大沼さんはこの報告結果を持って栃木県各所を回り、報告会や測定ワークショップを開催します。イベント当日は、この栃木の報告会の様子も交えて、栃木県の放射能汚染の状況も紹介する予定です。
2. 山形県の土壌調査の解析報告概要
(あがのラボ 村上さん)
市民の手による「MDS東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」の成果として、東日本17都県の土壌汚染マップが益々充実してきている。 福島県と隣接し距離的に近い山形県や新潟県では殆ど汚染がないと考えられていたが、得られたマップでは低汚染レベルの地域が両県でも広く存在することを示している。
「MDS土壌汚染マップ」と山形県が実施した「食品中の放射性物質検査データ」や埋もれていた測定データを解析すると山形県が強い汚染を免れた理由、発災後の山形県独自の「食品検査戦略」などが見えてきた。
(SugarNatさん)
これまでの土壌プロジェクトでは、そのエリアの標準的な汚染度を調べるため、あえてホットスポットの地点の測定は含めていませんでした。しかし一方でそこかしこに存在するマイクロホットスポット(放射性物質が集まって濃度が高くなっている場所)は大きな問題です。以前からこのホットスポットの探索・測定・そして行政への除染の働きかけをコツコツと行っている Hotspot Investigators for Truthという団体と協力し、彼らが測定したデータを「みんなのデータサイト」上に蓄積し掲載し始めました。
イラストなどを使い、どのような地点がホットスポットになりやすいか?表示しています。
当日は、これまでの測定活動、行政への働きかけの成果などについて代表のSugar Nutが紹介します。
知ろう!測ろう!つなががろう! 東日本土壌ベクレル測定プロジェクト
2017年秋・報告会
いよいよ「土壌の放射能を見える化」した紙のマップ集に着手!
土壌プロジェクト・アトラス<予告編>
〜いくつかの県を例に解析結果を先行報告します〜
★お申し込みはこちら (Google formが開きます)
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟401
日時:2017年11月19日(日) 9時30分〜12時(午前9時受付開始)
主なプログラム(予定)
●土壌プロジェクト・アトラス(紙のマップ集)発行の進捗
●幾つかの県を例に、土壌プロジェクトのデータ解析から見えてきたこと
●栃木県でのワークショップ活動報告
●環境濃縮(ホットスポット)ベクレル測定プロジェクト報告 など
参加費500円 (おみやげつき)
*土壌ベクレル測定プロジェクトの結果を掲載したA3版マップ。下記のいずれかご希望の1枚をプレゼントします。
(17都県全体マップ、東京都マップ、神奈川県マップ、埼玉県マップ ほか)
★お申し込みはこちら (Google formが開きます)